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初版2009/09/01: 最終更新日2009/09/01
公開鍵と秘密鍵
目次
二つの鍵
公開鍵とは
秘密鍵とは
名前の違いにみえるもの
概要
PGPは、非常に秘匿性の高い暗号化プログラムです。それを実現している一番の特徴は、「公開鍵方式」という仕組みにあります。

通常、鍵(パスワード等)は「かける」ときも「はずす」ときも同じものを使うものです。
ですがこの仕組みでは、必ず一度は「かける」人と「はずす」人のあいだで鍵の受け渡しがおこなわれることになります。普段いくら鍵を隠していても、小さくとも必ず一瞬は盗まれる隙(パスワードを直接耳にする、通信データの監視等)があるのです。
鍵の受け渡しは、構造上防ぐことのできないセキュリティの穴です。

かわって公開鍵方式では、鍵の開閉で使うモノが違います。
誰にも「はずす」鍵を渡すことなく、ずっと懐に隠しておいた自分だけの鍵を使って、暗号化されたデータを安全に複合することができるのです。

公開鍵とは
公開鍵は、周囲に渡してこそ意味の現れる変わった鍵です。鍵なのに、まったく同じものがいくら世間に広ろうと致命的な問題は滅多に起こりません。
アナログの世界では少し考えづらいですが、それは公開鍵が「かける」専用の鍵であるためです。

公開鍵を広める方法はたくさんあります。インターネットを利用したり、名刺に記したり、偽造対策等々施していれば渋谷の街灯テレビに24時間ずっと垂れ流していてもいいでしょう。
世間に広まったその鍵で暗号化されたデータは、あなたのもつ秘密鍵でしか開けられません。

秘密鍵とは
秘密鍵は、公開鍵と対になった「はずす」専用の鍵です。セットとなった秘密鍵でなければ暗号化を解くことはできません。

公開鍵方式での秘密鍵は、名前にある「秘密」の二文字の通り、誰にも渡してはなりません。鍵を「かける」人にすら渡してはならないのです。
このようにして受け渡しのリスクを排除することが公開鍵方式の目的であり、絶対的な強みとなっています。

名前の違いにみえるもの
PGPで扱う鍵の方式は「公開鍵方式」といい、この名前は、公開鍵を公開することからそのように呼ばれています。
一般的な開閉同じ鍵を使う方式は、秘密鍵を公開することから「秘密鍵方式」と呼ばれています。

名前だけ聞くと、少しややこしいかもしれません。
ですが、それらの名前が付いた経緯を見ると、たった一言の単語にこうもセキュリティ意識の差が現れているものかと思わされます。