概要
PGP(Pretty Good Privacy)は、1991年Philip Zimmermannによって開発された暗号化プログラムです。
「公開鍵方式」という暗号化技術を採用していることが特徴で、その秘匿性の高さと信頼性は、銀行や政治機関といった厳しい情報管理が必須の場でも活用されています。
日本PGP株式会社
札付きの信頼性
PGPは、世界的な知名度と人気を誇るIDEAやRSAといった暗号化技術を使い、ぜいたくに組み合わせて作られています。
さらに、PGPを特徴づけるエピソードの一つとしてよく挙げられるのですが、PGPは開発者の反政府的な活動から生まれた、いわば国をあざむくために生み出された暗号化プログラムです。
今でこそ世界中で親しまれていますが、公開から十年近くが経ち法制度が見直されるまで、この技術は国に「兵器」と認識され国外輸出を法的に禁止されていたのです。
倫理的な点でいえば、後者はグレーかもしれません。
ですが、暗号の信頼性を確かめるエピソードとして、こうも「そそる」事実はないでしょう。
進化につぐ進化
公開以来、PGPは常に進化を続けています。
操作性一つとっても、ユーザーに扱いやすい形へと常に形を変えているのです。
最初期に、素人のほんのちょっとした操作で数百ギガバイトのハードディスクを完全に暗号化してしまうなど誰に想像できたでしょうか? 容量の大きさの問題ではありません。たとえ数メガバイトのハードディスクであろうと、そうお手軽に、重要なデータの詰まったディスクを任せられたでしょうか。
この例は、PGPというソフトウェアが技術・信頼性ともに進化を続けてきた一つの証でもあります。
不遇さ
PGPはとても信頼性の高い暗号化プログラムですが、一般ユーザーにあまり馴染みがありません。
その大きな原因の一つとして、日本への本格的な参入が遅れたことが挙げられます。日本PGPが設立されたのが2005年。インターネット黎明期の、インターネット・セキュリティが特に注目された時代を完全に逃してしまっているのです。
「もったいない」
素直にそう感じます。
冒頭でも触れたとおり、PGPは銀行や政府機関といった場でも十二分の力を発揮する暗号化プログラムです。知名度が低いというだけで使われないのは、あまりにもったいない。
本コンテンツでは、PGPの情報を余すことなく伝えていきます。これらの情報に触れ、どうか一人でも多くの方がPGPに興味をもっていただければ幸いです。