事前準備として、作業フォルダにexample.txtというファイルを作っておいてください。中身は何でも構いません。
面倒なら、チュートリアル用のファイルを用意しておきましたので、右クリックで保存して作業フォルダへと置いてください。(内容に意味はありません)
example.txt
このファイルを暗号化します。
なお、前チュートリアルで作った鍵を元に解説していますので、チュートリアル「
公開鍵と秘密鍵の作成 」で鍵を作っておいていただけると、意味を飲み込みやすいかと思います。
GnuPGによる暗号化は、とても簡単です。
まずは、コマンドプロンプトに、以下のコマンドを入力します。
gpg --encrypt example.txt
--encryptは、ファイルの暗号化をするためのコマンドです。-eと省略してもコマンドは成立します。
入力後、以下のメッセージが表示されます。
ユーザーIDを指定していません (“-r”を使いましょう) 。
今の受取人:
ユーザーIDを入力。空行で終了:
保持している鍵のユーザーIDの断片、または鍵自体のIDを入力します。
ここでは、前チュートリアルで作成したユーザーIDを入力します。
ユーザーIDを入力。空行で終了:Example Taro (I'm very Taro)
今の受取人:
4096g/60815513 2009-08-01 "Example Taro (I'm very Taro) <example_taro@example.com>"
ユーザーIDを入力。空行で終了:
「今の受取人」が更新されました。暗号化後、この鍵を持っている人にしかファイルの中身を見ることができません。
何も入力せずにリターンキーを押せば、暗号化は完了です。
なお、より詳しい情報はコマンド「
暗号化」を参照。
実際に暗号化後のファイルは存在するのでしょうか。
通常のウィンドウ操作で直接作業フォルダを見てもよいのですが、ここはあえてコマンドプロンプトで確認してみましょう。慣れるとこちらの方が楽です。
以下のコマンドを入力します。
dir /o:d
dirは、GnuPGではないコマンドプロンプト自身の命令で、フォルダ(ディレクトリ)内のファイルを一覧表示します。/oは並べ替えのオプションで、:dは並べ替えにファイルの日付を利用することを示しています。
入力すると、以下のように情報が現れます。
ドライブ C のボリューム ラベルは ボリューム です
ボリューム シリアル番号は ****-**** です
C:\GnuPG のディレクトリ
...(省略)
2009/08/01 0:12 1,178 example.txt.gpg
** 個のファイル 1,222,333 バイト
* 個のディレクトリ 99,888,777,666 バイトの空き領域
上記の暗号化からどのファイルにも触れていなければ一番下に暗号化後のファイルが表示されます。一番下になければ近辺を探してみてください。
ファイルリストの中にexample.txt.gpgがあれば、成功です。